2019年の夏、北海道を走った。
備忘を兼ねて、その時の事を書く。
レッツ、プレイバック。
出発前
事の発端は、自転車屋の閉店セールだった。
完全閉店のため全品を半額で放出していた。
そのなかにあったのだ、憧れのパニアバッグが。
自転車キャンプツーリングに憧れていた。
もともとバイク乗りでソロキャンプの道具は持っていた。
なかったのはキャリアとパニアバッグと金だった。
こんなチャンスは二度とない。
やるしかない。
あこがれのキャンプツーリングを。
雑誌で見た北海道のキャンプ場で。
腹を括り、バッグとキャリアを買って店を出た。
後日、キャリアとパニアバッグを装着。
荷物を載せて試走した。
重い。バランスがとりにくい。
左右が同じ重さになるよう荷を分けたり、持ち物を選別しなおしたり、何度も試行錯誤した。
ようやくしっくり来た頃には、夏季休暇は一週間後にせまっていた。
ところで、僕は予約が嫌いだ。
自転車旅は天候に左右されやすい。
当日雨で予定変更するとキャンセル料がかかる。
だから基本は当日券、よくて直前予約であり、北海道行きフェリーも当然まだ予約していなかった。
夏季休暇まで一週間を切り、10日間天気予報を見た。
何とかなりそうだった。
確信を得たので、ようやく予約サイトを開いた。
空きはひとっつもなかった。
あたり前田のクラッカーだった。
ただ、高速バスもよく乗る僕は知っていた。
一週間切ってから数字が大きく動くことを。
それから毎日、暇があれば予約サイトを覗いた。
自分と似た愚者たち死闘を繰り広げ、休暇2日前になんとか乗船券をゲットした。
北海道行きが確定した。
（つづく）
