1日目 乗船
深夜12時に起床。
車に乗り込み新潟を目指す。
(東は青森、西は岡山までなら下道で行く)
本当は名古屋港からフェリーに乗りたかったけど、土曜便がないことや、帰りに長野に行く予定があったため、新潟発の新日本海フェリーを選んだ。
国道19号を北上して直江津へ。
そこから国道8号にのって東にひた走る。
予定より少し早めに新潟市に着いた。
舐めていた。
北陸は涼しいものだと思い込んでいた。
新潟は灼熱だった。
事前に調べたコインパーキングに駐車し、自転車をおろすと、それだけで汗だくになった。
10分ほど走って新潟港に到着すると、冷房のきいた屋内に滑り込んだ。
受付で手続きをすると、お姉さんは言った。
「係員が案内するので時間になったら外で待機してください」
きさま般若か。
新日本海フェリーは輪行しても、しなくても自転車料金は変わらない。なので今回は輪行せずに乗船することにしていた。
それが、まさかこんな罠が仕掛けられていようとは……。
ギリギリまでターミナルで冷房にしがみつき、泣く泣く駐車場に向かった。
自転車は車のあとに乗船とのことだった。
「じゃあそのとき呼んでよ」とプラカードに書いてデモ行進したかった。
フェリーに吸い込まれる車をしばらく眺め、ようやく自転車の乗船指示が出た。
自転車をおりて乗船せよとのことだった。
結構な斜度。悪い足場。
クリートで足が滑る。
必死になってパニアバッグのついた自転車を押し、やっとの思いで乗船。エレベーターで客室に上がる。
北海道への船旅が始まった。
(つづく)