マメイチ(小豆島を一周)してきた。
ブルベ中に、ふと思いついて。
神戸まで来たついでに行ったろかと。
宿はじゃらんで適当に朝食つきの旅館を予約した。
相部屋、素泊まり派の自分にはちょっと贅沢。
でもブルベ直後だし、ゆっくりしたくて。
この選択が後の運命を大きく変えることになった。
ノリで小豆島に上陸したおっさんの顛末。
はじまりはじまり。
出発
神戸市内のコンビニで晩飯と酒を購入。
宿から「コンビニ飯屋なし」と電話があったので。
フェリーターミナルに移動。乗船。
今回は輪行せず甲板に自転車を預けた。
(ブルベの荷物を外すのが面倒だった)
細い階段から客室に上がる。
平日の昼便なこともあり人影が少ない。
これならソーシャルディスタンスも気にならない。
ざこ寝部屋に荷物を置き、浴場へ。
シャワーと湯船でブルベの汗を流す。
丸一日風呂に入ってなかったので気持ちいい。
その後フードコーナーでうどんを食べる。
オリーブ激うま。
飯を食ったら眠気が襲ってきたので就寝。
ブルベの疲れで泥のように眠った。
上陸
「瀬戸内の声」の船内放送で起床。
小豆島に着いたらしい。
甲板から自転車を押し歩いて下船。
小豆島は玄関口から尖り倒していた。
なんだこの壁画。
気になる。が、イジる暇がない。
まもなく日没。宿に急がねば。
スマホの地図で民宿を検索する。
……おかしい。
地図が北を指している。
宿は西のはずだ。
予約メールを確認する。そして発覚。
どうやら勘違いしてたっぽい。
殆どの宿が西部の土庄町にあるので、予約した宿もそうだと思い込んでいたが、違っていたようだ。値段や食事ばかり気にして見落としていた。てか、よく考えたら土庄町なら「コンビニ飯屋なし」な訳がない。島で一番都会なんだから。
完全にミスった。
宿まで25km。
アップダウンを考慮すると2時間前後。
意図せぬライドが決定した。
いざ民宿
予約しちまったもんは仕方ない。
そもそも目的はマメイチ。
どのみち走る場所。
それが夜間になっただけ。
自分に言い聞かせて、超しぶしぶスタート。
マルキンや佃煮工場の間を通り抜ける。
食欲をそそるいい香り。
国道436号を右折。
橘トンネルを抜けて島の東部へ。
想像以上のアップダウン。
話には聞いていたが、これほどとは。
比喩でも誇張でもなく、平地がない。
先が思いやられる。
いくつかの集落、漁港を越えて福田港に到着。
東部で一番栄えている町。
姫路行きのフェリー乗り場が見える。
飲み屋もちらほら。
立ち寄って地の物が食べたい。
が、あたりはすでに真っ暗。
さっさと宿に着きたい気持ちが勝った。
再び山道。
建物も街灯もない道をせっせと上る。
真っ暗な空にオリオン座が輝いている。
と、後輪に突然の違和感。
次第に違和感が大きくなる。
この感触は……。
やっぱりパンクか。
ツイてない。
サドルバッグから修理セットを引っ張り出す。
懐中電灯と月明かりを頼りに作業する。
ヘッデンがないのが地味に辛い。
(ブルベで使い切った)
ホイール、タイヤを外してチューブ交換。
タイヤを嵌め戻す。
つづいて空気入れをセット……できない。
口金が固定できない。
何これ、どういう状態。
確認のため口金を覗き込む。
口金はぶっ壊れていた。
(つづく)