デブとブルベとロングライド

デブが走ったブルベとロングライドの記録

BRM423近畿600kmのこと-2


物の数分で連続パンク。

自転車を降りて後輪を確認する。
原因は一目でわかった。

「タイヤ戻しきってなかった……」

タイヤの一部がリムからはみ出ていた。
猪への恐怖で慌てて作業しすぎたか。
(通りがかりの車を呼び止めようか悩むほど怖かった)

前方に空き地が見えたのでピットイン。
消防団の倉庫と駐車場のようなスペース。
ここなら猪は出そうにない。
落ち着いてゆっくり作業した。

……よし、修理完了。
タイヤを戻したか、しっかりチェック。
忘れ物がないか確認したのち走行再開。

少し走って富山県イン。
時間を稼ぐゾーンで時間を食ってしまった。
これ以上時間を失うわけにはいかない。

「このまま一気に市街地にいったろ」

ペダルを強く踏みこむ。
それと同時に兎が飛び出してきた。

「ふんぬらばぁ!」

ギリギリで回避。
あ危なかった……。

以降、 茂みはすべて嘗め回すようにガン見。
周囲を警戒しながら走る。

すると今度は腹が痛み出した。
次から次へと忙しい。
タイミングよく道の駅が現れたので駆け込む。
ふう……。

「もうこれ以上はマジで勘弁して」

確かに奇跡でクリートネジをゲットした。
でもその代償が連続パンク、動物アタック、下痢はさすがにバランスが悪すぎる。
便座に座りながら真剣に祈った。


ついでに休憩してから走行再開。
しばらく走ると遠くに町のあかりが見え始めた。

「たた助かった!」

手を伸ばせば届きそう。
光を目指して一目散に走る。
が、無情にもコースは右折する。

「街にいかせてくれぇ」
「動物がいない場所に行かせてくれぇ」

光との距離は一向に縮まらない。
さらに地味な上り坂も出現。
一度夢を見たためストレスがむくむくと膨らんでいく。

「これ以上走ったらムカつきすぎて死ぬ」

そう思ったころ、滑川ICを通過。
瞬く間に建物が増えていく。

市街地をスルスルと走り抜けてPC4に到着。
長い戦いがようやく終わった。
(終わってないけど)


PC4 ~快活クラブ

 

「お疲れ様です」

男性から声をかけられた。
富山に住む友人だった。
富山を走ることを伝えたら深夜にもかかわらず応援に駆けつけてくれた。

店先でしばし談笑。
猪と違っていきなりキレない。
兎と違って急に飛び出さない。
非常にうれしい。
お互いの近況を報告し、再会を約束して別れた。

PC4を出て日本海沿いを走る。

平坦の快走路。
ホタルイカは残念ながら見えず。
でも漁船の灯りは美しかった。

岩瀬浜で内陸方向に舵を切る。
しばらく走って富山駅に到着。


ここから少しコースを離れる。
しばらく街中を走ると…… あった。



快活クラブ富山荒川店。

店前に自転車をとめて入店。
残念ながらシャワーはなかったが(店によってはある)、フルフラットシートで泥のように眠った。

 

快活クラブ ~ PC5

 

3時間後、起床。

パンク対応などで予定より一時間短い睡眠。
が、 寝られないよりよっぽどマシ。
着替えを済ませて店を出た。

朝の富山を軽快に走る。
内山峠のスノーシェルターをパシャ。


内山峠以外にも上りは多少あったが、その他はほぼフラット。
問題もなく走り続けていた……が。

眠い。

やはり睡眠時間が足りなかった。
眠気でペースがガクッと落ちる。
吉野家が出てきたのでたまらずイン。
調理が終わまでのあいだ仮眠した。

仮眠と朝食を済ませて走行再開。

金沢駅に到着。
フォトチェック用の写真パシャ。


近江町市場などにも寄りたいが余裕なし。
一度でもパンクしたらタイムオーバーする。
寄り道は諦めて先を急いだ。

鶴来(つるぎ)通過。
読めねぇよ。

天狗橋を渡ってさらに南下する。
快走路。
自然とペースが上がる。




キューシートで歩道を走るよう指示のあった四十九院トンネル通過を無事通過。

少し走ってPC5に到着した。


(つづく)

岐阜ー富山間は連続パンクや猪襲来で余裕が全くなかったため写真なし。。