PC5〜通過チェック
到着はクローズ時間より50分ほど早かった。
ちょっと安心。
ただ、二度あるパンクは三度ある。
まだ油断はできない。
素早く補給を済ませてPC5を後にした。
山中温泉のきれいな街並みを抜けて南下。
国道364号をひた走る。
山中温泉トンネルを越えて福井イン。
ふたたび睡魔が襲ってきた。
福井に戻ったことで気が抜けたか。
前方に公園つきの施設が見えたのでイン。
芝生に大の字で寝転ぶ。
15分後、起床。
走行再開。
近庄トンネル、小近庄トンネルを通過。
九頭竜川を渡って国道416号へ。
その後は県道に乗って越前鉄道沿いを走る。
終点の勝山駅を越えて走り続け、 大野ICをパス。
通過チェックのコンビニに到着した。
通過チェック〜PC6
ここから先に険しい上りはない。
が、時間的に安全圏でもない。
補給を済ませてさっさと出発した。
越美本線に沿って西へ走る。
足羽川にぶつかったところで進路を南に変更。
国道476号に合流して、なおも南下する。
と、三度目の睡魔襲来。
仮眠できそうな場所は見当たらない。
仕方ないので道端のスペースで横になる。
「救急車呼ぼうか?」
人の声で目が覚めた。
体を起こすとおばあさんの姿が。
倒れていると思って声をかけてくれたらしい。
「大丈夫です。 ありがとうございます」
恥ずかしい。
あわてて走行再開した。
しばらく走るとPC6に到着。
こんなに近いならこっちで寝りゃあよかった……。
PC6〜ゴール
これで時間制限のあるPCは全てクリア。
あとは通過チェックとゴールのみ。
完走がようやく現実味を帯びてきた。
ここまで休憩を削って走って来たが、最後のひと踏ん張りのために思い切って長めに休憩した。
走行再開。
アップダウンを越えて越前市イン。
そのまま町中を抜けて日野川沿いを南下。
途中で国道476号に乗り、 今庄駅を越えたところで県道へ。
直線の緩やかな上り坂をひたすら上る。
……この坂、なんか変。
幅員の狭いずーっと直線の坂道。
こんな形状は経験がない。
不思議に思っていたら駅の跡地があった。
どうやらこの道は旧北陸本線の跡らしい。
なるほど元線路ならこの地形も頷ける。
線路はグネグネ曲がらないもんね。
坂を上り切ってピークに到着。
猪が出そうな場所。
怖いのでさっさとトンネルに突入する。
「寒い!」
「暗い!」
「狭い!」
「水滴!」
「床びしょびしょ!」
トンネル内は魔境だった。
下り坂。足元は濡れている。
スリップしないギリギリを狙ってブレーキをかける。
後ろから車が突っ込んできた。
地獄かよ。
全方位に神経を尖らせながら何とか脱出。
ほっと胸をなでおろす。
が、すぐさま次のトンネルが登場。
猪に怯えながら信号を待つ。
トンネル突入。
車とスリップに怯えながら駆け下りる。
何とか通過して胸をなでおろす。
緊張と緩和の繰り返し。
感情が激しく上下する。
信号待ちで見た日本海がやけに美しく見えたのは、トンネルで疲れ切っていたからだろうか。
心底クタクタになりながら隧道ゾーンを突破。
そのままダウンヒルを続ける。
北陸自動車道が見えたので減速。
etrexとにらめっこしながら入り口を探す。
気をつけてたのにきっちりオーバーラン。
数十m戻って最後の通過チェックに到着した。
通過チェック〜ゴール
通過チェックは自動車道のSA。
明かりがまぶしい。
トンネルとは大違い。
文明万歳。
ホットコーヒーを飲みながら行程を確認。
ゴールまでは残り10km程度。
時間は1時間以上余っている。
もうヒルクライムもない。
これはもうゴールはほぼ確定と言っていいでしょう。
SAで土産を物色。
トイレを済ませたのち走行再開。
残りの坂を下り切って街に入る。
国道8号を通過。
線路を渡って直進する。
敦賀駅ロータリーに到着。そして。
BRM423近畿600km、 完走!
長くて怖くて眠いブルベがようやく終わった。
駅舎に入って2Fでゴール手続きへ。
ブルベカードを記入して証跡を提出する。
もろもろ問題なし。
ゴールの手続きは終了。
その後はサンピアの風呂で、同じ時間帯にゴールした人たちと一緒に汗を流しながら談笑しましたとさ。
(おわり)