デブとブルベとロングライド

デブが走ったブルベとロングライドの記録

BRM706近畿600km姫路 出雲詣のこと-2

快活クラブ 松江店

松江店にはシャワーも洗濯機もなかった。
汗まみれなのにどうしよう。

とりあえずトイレで全身を拭く。
ウェアはアルコール消毒。
出来るのはこれくらい。
後はウェアが乾くのを祈って横になった。


2時間後、起床。


濡れたウェアを着て予定より1時間早く出発。
今日も休憩で時間を食うだろうと時間を早めた。

快活クラブを出て朝食。
食べられるうちに食うべし。

走行開始。

川津バイパスを東に走る。
少し走って通過チェックに到着。

すでに蒸し暑い。
ポカリを水を買って出発。

川津バイパスを北上。
途中で右に折れる。



中海堤防道路
湖上を走っているようで面白い。


汽水湖を渡って江島工業団地に到着。
有名なベタ踏み坂を上る。
勾配はキツくないが、やっぱり蒸し暑い。

弓ヶ浜半島に到着。
近くに境港があるが早朝過ぎる。
どうせ店は開いてないので先へ進む。

米子イン。

ずっと平坦路。
めちゃ走りやすい。
これなら時間に余裕ができそう。
と思ったが。

「眠い……」

睡魔。
仕方なくコンビニにイン。
水分補給して仮眠する。
こんなことなら快活で寝ときゃよかった。

25分後、走行再開。

半島を脱出。
右手に大山を眺めながら国道9号を走る。
一桁国道ながら田畑に囲まれたのどかな道。
大山の雄大さが一層引き立つ。

途中で国道を外れ、海沿いの道へ。
細かいアップダウン。
海岸線はどこもこんなもん。
激坂はないので淡々と走る。

国道9号に戻ったり外れたりを繰り返し、小さな町内を通過。
前方に銅像が見えたのでストップ。

そういや鳥取は作者の地元だっけ。
他の銅像は見つけられず。
後で調べたら結構近くにあったっぽい。
痛恨のミス。



コナンゾーンを通過。

非常に暑い。
たまらずコンビニで水と氷を購入。
ついでに少し仮眠する。

走行再開。

泊・東郷ICを通過して鳥取市イン。
鼻とか崎ばっか。
もちろんアップダウンの連続。



その後は海水浴ゾーンを通過。
山陰の海岸沿いを嫌というほど満喫して、PC3に到着した。

 

PC3

「やばいなー」

仮眠で時間を食った。
が、問題はそこではない。
固形物が喉を通らなくなった。

「まさか麺すら食えんとは」

おにぎり一口で吐き気。
カップ麺もスープ以外は無理だった。

休めば食えるかなと1時間仮眠。
起きておにぎりをかじる。
おええぇぇ。
大ピンチ。

残りは130km。
普段だったら騙し騙しでいける距離だが。

「登坂区間が邪魔だなぁ……」

PC3後には標高800m弱の峠越えがある。
この暑さで、飯を食わずに、800mアップ。
DNFが頭をよぎった……が。

「交通費めちゃかかるじゃん!」

現在地からだと電車だけで2万弱かかる。

「50km走れば後は下り! 続行!」

今回もお金を選択。
ゼリー飲料を大量購入して走行再開。

国道29号を南下。
桁違いの暑さに思わずサイコンを確認。

41℃オーバー。
誤差を考えても相当暑い。
気温はその後43℃を突破
たまらず山陰に避難する。



「峠まではセーブかな」

いまデブが踏んでも消耗するだけ。
峠までは休憩を多めにとって、峠後にスパートをかけることにした。

走行再開。
水を頭や体にかけたり、氷水でうがいしたり。
絶えず体を冷やしながら坂を上る。
と、あっという間に水が尽きた。
仕方なく道の駅イン。

「おつかれさまでーす」

何度か会った夫婦の参加者が。
旦那さんの方がぐったりしている。
皆この暑さはキツいようだ。
自分も気をつけないと。

道の駅を出て、八東川沿いを南下する。
足の裏がずっと暑い。
道の駅で靴を脱いで休んだがダメっぽい。
しばらく我慢したが、限界。
東屋で止まって裏の水路に足を突っ込む。



「極楽ぅ〜」

足の疲れがすっ飛ぶ。
が、謎の水中生物に襲われたためマッハ撤退くっそ。
それでも暑さと疲労はかなり和らいだ。

東屋近くの自販機で水分補給。
すると道の駅で会った夫婦が現れた。
旦那さんはさっきよりしんどそう。

「良かったらこれどうぞ」

塩GELを渡す。
熱中症なら多少でも効果はあるだろう。


「しょっぱーい」

旦那さんの口がきゅうーっとなった。
効果が出ることを願いつつ走行再開。

ここまで素直だった道がうねり出した。
ということは。
最後の力を振り絞る。

戸倉峠、踏破。
なんとか上り切れた。

長く涼しいトンネルを抜ける。
その後はダウンヒル
途中の道の駅で休憩したのち、PC4に到着した。

 

PC4

参考クローズタイムを超過。
道の駅で休みすぎた。
空腹と暑さが限界だったので仕方ない。

「オンタイムに戻るまで巻くか」

最後の街中は信号が多い。
ここで一気に勝負をかけることにした。

PCでさっきの夫婦と合流。
三人で一気に坂を下る。
国道29号に出ると少しだけ坂が。
脚力で一気に上る。
その後は再び下り坂。

「あかん腹減った」

急に足が回らなくなった。
夫婦から千切れてペースダウン。
ただ時間内ゴールできる範囲まで回復した。
後は無理なく走ればいいだろう。

メカトラに気をつけながらゆっくり走る。

市街地にリターン。
昨日見た風景が現れた。
ゴールまで後少し。

大きく迂回して線路を渡る。
そして。


BRM706近畿600km姫路 出雲詣、完走!

風呂洗濯なし飯食えず40℃オーバー。
ピンチの連続。
クローズ20分前ゴールだったし、快活を1時間早く出ていなければ危なかったかも知れない。
とりあえずDNFで交通費が飛ばなくて本当に良かった。

ゴール受付で夫婦と再会。
塩GELで汗が出るようになったらしい。
ゴールもだが体が無事で良かった。

ゴール後はスタート前と同じホテルにイン。
兵庫の友達と合流して風呂屋で汗を流す。
晩飯も施設内で済ませてホテルに帰還。
泥のようにぐっすり眠り、翌朝帰りましたとさ。


(おわり)

こんだけプッシュされてたら連載はまだまだ続きそう

ゴールで能登地震災害支援の反射リストバンドが売られていたのでゲット