デブとブルベとロングライド

デブが走ったブルベとロングライドの記録

BRM326名古屋300kmのこと-2


タイヤは1cmほど裂けていた。
チューブがハミ出てリムに挟まったようだ。

そういえば前輪だけ北海道以降もタイヤを換えてなかった。
後輪があれだけズタズタなら、前輪も限界来ててもおかしくない。
(その後300km400kmも走ってるし)
ここまで頑張ってくれてありがとう。


そんなタイヤにタイヤブートを貼ってなおも酷使を試みる。
鬼畜の所業に思えるが、緊急事態だ。
そんなことを言ってる場合ではない。

切れた位置が端すぎて貼りにくい。
貼ってもマッハで剥がれそう。
てか雨で濡れすぎててちゃんと貼れてるのかすら怪しい。

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うーん頼りない。

さて、どうしようか。
残りは130km程度。
天気は荒れる一方だ。
ここから先は電車がなくなる。
じきに日は暮れるだろう。
破れたタイヤで走るには条件が悪すぎる。
続行は大人の判断として間違ってる気がする。

「まぁ、どうせすぐ再パンクするやろ」

そう思いながら試走。
が、10分経っても問題なし。
(再パンクするときは大体5分保たない)
タイヤブートがちゃんと働いているようだ。

最寄りのコンビニに入り、スマホでコース情報を確認する。
電車はないがバスはある。
観光地なので宿も少しある。
復路の豊橋まで保てばビジホやネカフェもある。

「何かあっても金で解決できる範囲か」

嫌な腹の括り方をして先へ進むことにした。


三河港大橋を渡度って田原市イン。
県道をしばらく走る。
その後は伊良湖胡岬へ向かう国道259号へ。

顔に当たる雨が痛くなってきた。
風力発電所がある地域だ。
風が強まるのも仕方ない。
落車しないように気を付けて走る。

ルートが海側から内陸に入ると、風が多少収まった。
ありがたい。

そのまま走るしばらく走る。
……あった。




渥美半島の先端。
道の駅伊良湖クリスタルポルト

通過チェックに到着した。

通過チェック〜PC2

暗闇に波と風の音だけが響いている。

キューシートの指示通りに写真パシャ。

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これでよし。

レインウェアの中がずぶ濡れなので着替えたかったが、施設は施錠されていた。
閉館時間が過ぎているので仕方ない。
諦めて先に進むことにした。

国道42号に乗って太平洋側へ。
伊良湖ビューホテル前の激坂に差し掛かる。
以前に来たときは、上りがしんどかった。
が、今は下りの方がしんどい。
前輪ブレーキが効かないからだ。
雨でブレーキシューが磨り減りまくったせいで、どれだけ握ってもあまり効かない。
シューの代わりに神経をすり減らしながらゆっくり下った。

激坂ゾーンをなんとか攻略。
黙々と走っているとコンビニが見えた。
立ち寄ってウェアを着替える。
乾いたウェア気持ち良い。
ものの10分で再びずぶ濡れになったが、一瞬でも乾いたウェアを着れたことで気持ちが持ち直した。

暗闇の国道42号をひた走る。
しばらく走るとコンビニ発見。

PC2に到着した。

PC2~ゴール

他の参加者に落とし物の心当たりを聞いて回る。
が、該当者なし。残念。
少し休憩したのち走行再開。

国道402号はじわじわと上りが続いたが、ここからは下り基調。
ただブレーキ問題のためスピードは出さず。
上りの方が楽に思えるなんて初めてだ。

慎重に走り市街地に到着。
これで以降はトラブルが起きても対応が容易になる。
不安要素が減ってほっとした。

豊橋の中心地を抜ける。
路面電車の線路で滑りそう。

豊橋で豊川を渡って豊川イン。
旧東海道を北西に走り続ける。
じわじわ上りになってきた。
キツくはないがうっとうしい。

御油の松並木などを抜けて、国道1号へ。
大動脈の国道。
車は当然多い。
轢かれないように気を付けて走る。

本宿で上りがようやく終わった。
あとは下りばかりだ。

国道1号を離れて県道に入る。
静かな田舎道や住宅街を走り抜けて竜東メーンロードへ。
県道だが国道1号の迂回路で車が多い。
車に気をつけながらゆっくり走る。

国道248号線を横切って岡崎大橋へ。
橋を渡って愛知環状鉄道をくぐり抜ける。
スタート時に通った味噌屋を横切った。
田んぼの間を割くように走る。
そして。

ゴールのコンビニに到着。
BRM326名古屋300km、 無事完走。


時間は18時間30分ちょっと。
ただ、時間はどうでもいい。
無事にゴールできたことが嬉しかった。

その後、参加者に落とし物の心当たりを確認して回ったところ、 ラファのベストの持ち主を知っている人を発見。
落とし主に届けられそうでよかった。
(もう一つは落とし主見つからず。残念)

休憩を終えて、柳川瀬体育館に移動。
ゴール受付を済ませる。
ブルベカードのジップロック管理を褒められたので 「なんで?」と思ったら、机の上にぴちゃびちゃのカードが置かれてた。
大雨だったからねぇ……。

レシートや証明用写真に問題なし。
これにてBRM326名古屋300km終了!
長い夜が終わった。


車で着替えて松屋に向かう。
まん防が終わって深夜営業しているのが嬉しい。

その後、待望の温かいご飯を食べていたら、寝落ちして丼をひっくりかえしましたとさ。


(おわり)


BRM326名古屋300kmのこと-1


BRM326名古屋300kmに参加した。

久しぶりのブルベ。
久しぶりのロングライド。
なので楽なコースを選んでエントリーした…のだが。

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大雨&強風予報。
なんてこったい。

普段だったら100パーDNSするところ。
ただ今回は出走することにした。
理由は地元ブルべで平坦コースだから。

  • スタート&ゴールが近所
  • 平坦コースなので雨風で速度が落ちても時間切れになりにくい
  • 交通機関の勝手が分かっててDNF時の不安が少ない

大雨強風ブルベをこんなに好条件で走れる機会なんて、おそらく二度とない。
ないからといって走る必要は全く無いんだけど、一回ぐらい経験してみてもいいかと思っちゃたので。

そんな訳で大雨強風ブルベに参加したおっさんの顛末記。
結果やいかに。


スタート前

4時起床。

寝不足でふらふらする。
雨対策に悩みすぎた。

布団から這い出て車に乗る。
コンビニで朝食を買いつつ、スタート地点の柳川瀬公園に到着。

…………したのだが。

猛烈な便意に襲われてコンビニに逆戻り。
ダッシュでトイレに駆け込む。
ブルベ中じゃなくてよかった。

スタート地点の柳川瀬公園に到着。(20分ぶり2回目)
車からCAAD8を降ろす。
本当はD-604で走りたかったが大雨強風海沿いコースだったのでパスした。

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出走受付、権利放棄書の提出、車検。
久しぶりのルーティーンをこなす。
その後はスタート時間まで柔軟体操。
これもいつも通りだ。

6時になったので出発。
BRM326名古屋300kmが始まった。

スタート〜PC1

田んぼの中を抜けて通りに出る。
味噌工場の脇を抜けて一路東へ。
味噌樽でかいなあ。



この辺りは家から一時間圏内。
道の様子が分かっているので走りやすい。

国道155号をしばらく走り、通過チェックのコンビニに到着。
ヨーグルトと野菜のジュースを買って飲み干したら再び便意に襲われた。
慌ててトイレに向かうがブルベ参加者で渋滞中。
向かいに別のコンビニが見えたのでそちらへ急ぐ。
「出発早えー」と言われたが意識高いわけじゃないのよ……。

ふう。走行再開。

しばらく県道を走る。
その後は国道247号へ。
知多半島をひたすら南下する。
幸いにも雨はまだ降らず。
今のうちに距離を稼いでおきたい。

必死に走っていたらうっかりセントレアをスルー。
写真撮りたかったのに。
代わりに野間埼灯台パシャ。

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ポツボツと雨が降ってきた。
が、強まる気配はない。
PC1まで持ちそうなので止まらず走り続けた。

向かい風が強い。
予報で分かっていたがやっぱキツい。
必死にもがくが全然前に進まない。

「よかったら後ろについてください」

他の参加者が声をかけてくれた。
神かな。
ありがたやー。
お言葉に甘えて牽いてもらう。

しばらく一緒に走ったのち、神は「飯屋に行くので」と言って去った。
本当にありがとうございました。

神と別れて漁港前をボチボチ走る。
すると前方にコンビニを発見。
PC1に到着した。

PC1〜通過チェック

補給は栄養補助食品だけ買った。
ささっと胃に放り込んで走行再開。

今度は知多半島をひたすら北上する。
地元で有名な魚市場や発電所前を通過。
と、路上に黒い塊を発見した。
拾って確認する。

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サイクルウェアが入った袋だった。
ブルべ参加者の物と思われるので回収。
PCで落とした人がいないか確認しよう。

半田市のコンビニで通過チェックのレシートを入手。
その後は衣浦大橋を渡って高浜イン。
そのまま碧南、一色、吉良、幡豆と駆け抜ける。
寺や古い建物などが多くて楽しい。

雨がいよいよ強くなってきた。
タイミング良くコンビニが現れたので立ち寄ってレインウェアを装着した。

幡豆からアップダウンを抜けて蒲郡イン。
国道23号に乗る。
別途バイパスがあるとはいえ、交通量は十分多い。
車に気を付けながら慎重に走る。

と、路上に黒い塊を発見した。
拾って確認する。
ラファのジレが入った袋だった。
ブルベ参加者の物と思われるので回収。
PCで落とした人がいないか確認しよう。

……いやこのくだり さっきもやったわ。

なんで2回もウェア拾ってんのよ。
なぜ皆おれの前でウェアを落とす。
エンカウント率に憤慨した。

ただ、どうあれブルベは遊び。
人助けの方が優先だ。
雨に濡れた落とし物をサドルバッグに括りつけた。

蒲郡を抜けて豊川、そして豊橋イン。

雨はどんどん勢いを増す。
特に寄りたい場所もないので淡々と走り続ける。


パァン!


突然、乾いた音が響いた。
後ろの自動車を確認する。
違うようだ。

「あ一俺か」

ハンドルが振動してようやく気づく。
(高架下で音が反響したため分からなかった)

いったい何を踏んだのか。
降車してタイヤをチェックする。
何も刺さっていない。
という事は。


「タイヤ裂けてんじゃん」


ビードの部分がぱっくり切れていた。



(つづく)


装備のこと(BRM326名古屋300kmの場合)

 

BRM326近畿300kmの場合

 

気温 17℃〜12℃
太陽 5:36〜17:57
天気 曇り→大雨
風  主に南東の強風

 
自転車

  • 車体関連はいつも通り
  • FRライト
    ECONOM Force [HL-EL540] x2
  • RRライト
     OMNI-5
        TL-LD570R
  • eTrex 20x
  • CATEYEのベル
  • ポカリスエット900ml(+ボトルキャップアダプター)
  • パンク修理一式(携帯ポンプ、レバー、タイヤブート、パッチ)
  • 交換用チューブ3本
  • ワイヤー錠
  • おにぎりリフレクター

服装

  • OGK KABUTO AERO V-1
  • ワークマンで買ったヘルメットインナー
  • Halo I はちまきタイプ
  • ヘルメットライト
     トライスター
        モンベルのヘッデン
  • TIFOSIのPodium XC クリアレンズ
  • 春秋用長袖ジャージ
  • ノースフェイス パラマウントウール
  • モンベル ジオライン 中厚手 長袖
  • サイトウインポートのレーパン (十分丈。防風機能なし)
  • 反射ベスト
  • 指ありグローブ
  • テムレス
  • DexShell 防水ソックス
  • モンベル ストレッチレインパンツ
  • モンベル レインシューズカバー+ビニール袋
  • SIDI(MEGA)の靴 SPD-SL
  • モンベル バーサライトジャケット

服装(着替え)

  • モンベル ジオライン 中厚手 半袖x2
  • dhbの秋冬用 長袖ジャージ
  • サイトウインポートのレーパン
  • おたふく手袋 OTF 下
  • dhbのサーマルベスト(使わず)

収納

  • トピークのインナーフレームバッグ4.5L
  • トピークのサドルバッグ15L
  • TIOGAのステムバッグ
  • R250の財布

その他

  •  薬(頭痛薬、胃腸薬、BCAA)
  • 2RUN
  • 輪行袋
  • ベビーワセリン
  • モバイルバッテリー(乾電池式)
  • 単三電池2本
  • スマホ
  • 大量の補給食
  • ジップロック
  • 手拭い
  • マスク

雑感

  • 予報通りの大雨強風ブルベ。過去イチの雨量だった。
  • 電気装備はすべて乾電池式を使用した。大雨の中でUSB充電は難しいし、高価な道具が水没したら辛いので。
  • コースのほとんどが走ったことがある場所だったし、山がなかったので、Rider750(の高度グラフ)がなくても特に辛くなかった。
  • バーサライトジャケット、レインシューズカバー、防水ソックスを新調して臨んだが全身濡れた。テムレスも水が溜まった。この日のコンディションでは仕方ない。
  • 残り100kmを切ってから一度着替えた。速攻で濡れたが、一瞬でもドライなウェアを着たことで気持ちが楽になったので効果アリ。
  • 「ずぶ濡れで飯屋に入るのは難しいかな」と思い補給食を多めに持っていった。カロリーメイトのバニラ味が異様にうまくて補給関係なしにボリボリ食った。


(おわり)

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自転車に乗ったこと

 

愛知県のまん防が3/21に解除される。

政府のやることだから、なんだかんだと理由をつけて、3月末まで解除しないと思ってた。
だからブルベの準備を何もしてなかった。

21日解除ならBRM326名古屋300kmは予定通り開催される。
が、今の状態で走ったら間違いなくスペランカーDNFする。
そんな事態を避けるため、慌てて自転車にまたがった。

向かった先は愛知屈指のイージーである、戸越峠。
斜度も距離もユルくて再始動にちょうどいい。

峠の入り口付近にあるミニストップで水を買って、レッツ峠。

上り始めて数分後、猛烈な頭痛が。
これがサボリの代償か。
あまりに痛いので東屋で一休み。


うーん痛みがまったく引かない。
このまま休んでもどうにもならなさそう。
しゃーないので、さっさと走ってしまうことにした。


何とか踏破。
前回は足を攣ったけど今回は無事だった。
34Tのおかげかな。

長い坂を一気に下り、そのまま道の駅に飛び込む。
ちょうど昼時だったのでうどん屋イン。
冷やしのかけうどんを食べる。うまい。


さて、これからどうしようか。
空の丼を見つめながら考える。

頭痛はひどくなる一方だ。
輪行で帰りたいたが肩紐を忘れてしまった。
国道沿いをしばらく走れば薬局があるが、斜度がキツめで交通量が多い。
低速でフラフラ走ったらトラックに煽られるだろう。

穴が開くほど丼を見つめて出した結論は。

「来た道で帰るか」

飽き性なので同じ道を走るのは嫌いだが、交通量が少なくて体力の計算がしやすい道で帰るのが一番良いだろうと判断した。

ふたたびレッツ峠。

戸越峠の瀬戸側は緩やかな坂がじわっと続く。
リキむ必要がないのでありがたい。
頭痛が悪化しないように丁寧に走る。

リア変速の調子がずっとおかしい。
ブレーキも変な音鳴りがする。
帰ったらメンテナンスに持っていかないと。
ブルベ前に把握できてよかった。

とか考え事をしていたらあっさり踏破。


豊田側(のピーク付近)はカーブが多い。
まだディスクブレーキに慣れていないので慎重に下る。

スタート時のコンビニに到着。
寄らずに家まで走り切り、無事ゴール。
家に駆け込みバファリンを服用する。
助かったー。


そんな訳でブルベ前の50kmのんびりライド。
頭痛は辛かったけど良いアップになった。

もう少し準備をして、久しぶりのブルベを無事完走できるように仕上げたい。


(おわり)


ステムバッグだけつけて走った

後日、勘八峡も走った