デブとブルベとロングライド

デブが走ったブルベとロングライドの記録

LEL報告会にいったこと

 


2022年10月2日、LEL報告会に行ってきた。

著名ライダーである三船雅彦船さんが挑戦したLEL(LEL:ロンドン〜エディンバラ〜ロンドンを走る約1500kmのブルベ)の走行レポートと、LELを走るのに使ったフカヤのGHISALLO(ギザロ) GE-110の製作秘話が聞けるとのことで観覧を応募。
会場であるライドオアシスで拝聴してきた。

2時間のうち、前半はLELの走行中の話。
後半はLELで使ったGHISALLO GE-110の話。
GE-110は当時未発売で、LELはテストも兼ねていたとの事。

主催のフカヤに確認したところ、会の内容は個人情報に配慮すればSNS等で書いても問題なしとのことだったので、主にGE-110について報告会で語られた内容をまとめます。

それではさっそく、レッツレポート。

注:本投稿の内容は2022年10月の段階のものです。最新の情報とは異なる可能性があることをご承知おきください

 

 

GHISALLO GE-110について

  • ギザロは1989年ごろからオリジナルバイクとして販売
  • 結構ヒットしたが、ヨーロッパの有名ブランドの日本での台頭や、フカヤ自身もエディメルクスなどを取り扱ったことでフカヤのオリジナルブランドは徐々に衰退
  • 一時期全くオリジナルバイクをリリースしない状況が続いたが、創業110周年を機会に復活させるプロジェクトが立ち上がった
  • GHISALLOはコンペティションがブランドコンセプト
  • レース、ファストラン対応を基本設計として考えている
  • 開発に当たっては最初に三船さんに相談した
  • 三船さんには かねてから「ブルベ、ウルトラディスタンスに対応するバイクがあったらいいね」と言われていたが(フカヤ取り扱いの)エディメルクスでお願いしていた
  • ただ諸事情でエディメルクスがなかなか商品をリリースしてくれなくなった(現在もフカヤは代理店だがメーカーが送ってくれない)
  • そこで「日本のニーズにマッチしたものを作ろう」とギザロでエンデュランスロードを作ることにした
  • 最初に作ったフレームはサイクルモード東京などで展示したもの
  • 三船さんの要望は「なるべく軽いフレームがいいな」
  • 台湾のファクトリーに依頼して試作。三船さんに4000kmくらいテスト走行してもらった
  • 三船さんからは好評も、重量をスーパーライトに振った分マイナス面も出た
  • 下りのコーナー性能や剛性等が心もとない
  • 新たな試作機を製作

  • 1号機との違いはフレーム形状。スーパーライトを維持しつつ、エアロ化や後ろ三角などを改良
  • 三船さんがLELを走ったのは1号機と2号機を掛け合わせた3号機

  • 1号機はフォーク重量を削って軽量化していたが、ブルベのように重りをつけた状態で斜度20%を下っていくとなると最低限の剛性が必要。オールラウンドに使うなら3号機の方がバランスは良いとのこと
  • 3号機は剛性あるけど衝撃吸収性も高い
  • 三船さん曰く「最後の200kmが前回のLELより楽に感じた」
  • GHISALLOは自然な感じで進ませようとすると、その力を維持させる力が高い(そこの部分を特化して考えてある)とのこと
  • DAVOS D-309はチェーンステーがGHISALLOの倍くらい厚い。グラベルもいけるようにしてあり、衝撃吸収のために太め
  • D-309はファストランでなくロングライド向け
  • フル内装化にしたのは、ハンドルバッグなど重量物を積載してもハンドリングが変わらない設計にしたから
  • 三船さんからは「フル内装じゃ無い方がいいかも」言われたが、内装だと剛性の応力がうまく均等化されるため、外装内装の両方を試したうえでフル内装に決めた
  • 日本のバイクは右が前ブレーキ。右前のワイヤリングだと左のワイヤリングが綺麗にカーブを描かずバッグ類をつけるとケーブルが押されてブレーキや変速の効きに影響を及ぼす
  • GHISALLOはダウンチューブ下にダボ穴あり
  • マスの集中化(BB近くに重さを集中させる)でハンドリングや加速性に影響しないよう心掛けた
  • 3号機はテストでボトルケージの穴がたくさんついてる
  • どの位置が一番いいか、シッティング、ダンシング、クライム、ダウンヒルなど色々試した上で最終的な位置を決定した
  • 対応タイヤは今後のスタンダードも考えて〜32C対応にした
  • フカヤは問屋。色んな部品を日々出荷してる
  • レースに関する部品は以前に比べて出荷が減った
  • デュラエースは以前50セット/週ぐらい出てたが今は減った
  • 今はレースメインじゃ無い。快適性や1日のライドを充実させる方向にシフトしてきてる
  • GHISALLOは日本のユーザーが求めているものや走るシーンを考えた
  • 11月末ごろ入荷、リリース予定(聞き間違いかも)
  • 10月末ごろプレスリリース、価格カラー発表予定
  • 価格はマジで未定。為替で悩み中
    →2023.2 注:その後「2023年2月頃入荷予定、税込253,000円」と発表があった
  • カーボンのステム、ピラー、ハンドルが付属する
  • 三船さんがLELを完走するまでドキドキだった
  • 素晴らしい成績で完走してもらって三船さんに感謝している

 

(おわり)