デブとブルベとロングライド

デブが走ったブルベとロングライドの記録

北海道に行ったこと(2022年夏 ツールド道北 オトンルイにさよなら)-9

8日目


日の出よりだいぶ前に起床。

原因は写真
利尻島で星を撮った後にISO設定を戻し忘れていたらしく昨日撮った写真がノイズだらけになっていた。
すべては無理でも球状摂理だけは撮り直したい。
が、今日もフェリー前にいくつか行きたい場所がある。
そこへさらに球状摂理もとなると、 この時間に起床せざるを得なかった。

スマホと財布だけ持って出発。
テント撤収は後回し。
どうせ港に戻る際に目の前の道を通るので。


スコトン岬まで7kmちょっと。
夜明け直前の道を勢いよく走る。
空気が冷たい。
インナーを追加して正解だった。

泊港を通過。
停泊中の船上は、漁の準備で忙しそう。



漁港を抜けたら上り坂が登場。
荷物がないのでスイスイ上る。
しばらく走って到着。


スコトン岬。
日本の有人離島の最北限。

ついに来た。
自転車でこんな所まで来られるとは。
しかもおっさんになってから。
自転車って楽しいなぁ。

しばらく海を眺めていると、突然サイレンが鳴った。
音と共に東から大量の小舟が出現。
岬を岩間を我先にと走り抜けていく。


礼文島の北端に朝5時に来ないと見られない光景。
完全にNHK案件。
今年の運を使い果たしたような気がした。

出漁の様子を最後まで眺めたのち、岬を離れる。
来た道を戻っていると江戸屋参道の文字を発見。
よくわからないがせっかくだから進入。


なんじゃこりゃ。
今まで旅した中でも1、2を争う大絶景。
礼文島、まだ隠し持ってやがった。
景色があまりにきれいなので道を往復した。

江戸屋山道を後にして道道に戻る。
途中で分岐を右へ。
そこそこの峠を越えて到着。

澄海岬。(スカイみさき)
キラキラネームのようなネーミング。
ここもまた絶景。


断崖の下では漁船がウニ漁?に励んでいる。
さっきスコトンを駆けていった船だろうか。


あれ、そういや今何時だっけ。

朝からの絶景責めで時間のことを忘れていた。
時計を確認する。
……やばい。
桃岩どころか始発フェリーすら危ない。

大慌てて岬を後にする。

ダンシングで峠を駆け上がり、全力でダウンヒル
分岐点を右に曲がり、大急ぎでキャンプ場まで戻る。

大急ぎでテントを片付け、自転車にバッグを装着。
ゴミを片付けてキャンプ場を後にする。


香深港を目指して全力ダッシュ
向かい風。
思うように速度が出ない。
桃岩行きはかなり厳しい。
困ったな。
考えながらひたすらペダルを回す。

セイコーマートを通過。

桃岩トンネル方面との分岐に差し掛かる。
決断の時。

「……桃岩はまた今度!」

桃岩行きは諦めた。
昼便でも札幌には戻れる。
が、宗谷岬に行けなくなる。

そうなの。
結局行きたくなっちゃって。

桃岩は写真は失敗したけど実物見たし。
少しぐらい心残りがあった方が再訪時の楽しみになるし。
桃岩は諦めて、始発便で稚内に戻ることにした。

分岐を曲がらずそのまま南下。
港町を抜けてフェリーターミナルに入る。
マッハで輪行準備。
ギリギリでフェリーに滑り込む。
なんとか間に合った…。

どえらい勢いで走り続けたため、しばらく座敷で倒れ込む。
その後、室外に出て景色を眺める。



真っ青な波の向こうに、礼文島利尻島が浮かんでいる。

「来てよかったな」

2島を眺めながら心からそう思った。

 

(つづく)

スコトン岬から樺太方向に向かって細長い不思議な雲が伸びていた。これを見ていたらサイレンが鳴って舟が現れたのでめっちゃびっくりした。


スカイ岬で自撮りを失敗したおっさん

きれいだなぁ