長い夜〜通過チェック2
彼は下りてこなかった。
落車かな、仮眠かも、もし事故だったら。
色々な考えが頭の中を回る。
来た道をもう一度振り返る。
相変わらず静かで真っ暗だった。
うーん。。
心配は尽きない。
でも止まっている訳にもいかない。
悩んだ結果、一人で先に進むことにした。
相変わらずな暗闇の中を一人さみしく走る。
猪2、鹿1、狸1、兎1。
遭遇率が高すぎる！（CV：米倉涼子）
心臓もたんて。
県道が終わり国道に合流。
道が広くなって、少し気が楽になる。
すると今度は強烈な眠気が襲ってきた。
まったく、次から次へと忙しい。
しばらく走ると自販機があったので、休憩がてら座り寝した。
20分経過。起床。走行再開。
北に向かってひたすら走る。
「あれ？ あの自転車は」
前方にロードバイクが停まっていた。
傍らのベンチで誰かが寝ている。
近寄って見る。やっぱり。
風伝峠を一緒に上った彼だった。
どうやら仮眠中に追い抜かれたらしい。
事故や落車じゃなくて本当によかった。
タイミングよく起きた彼と再合流。
深夜の国道を一緒に駆け抜ける。
上北山の道の駅を通過。斜度が一層きつくなる。
なぜだか分からないが交通量も増加した。
大型車やボートを牽引した車が猛スピード走ってくる。
シンプルに怖い。
工事やトンネルの多さにもうんざりした。
あるトンネルでは工事用信号で8分待たされた挙句、青信号が短くてトンネル通過中に対向車がガンガン走ってきた。（めちゃくちゃ怖かった）
和佐又山トンネル通過。まだ上る。
新伯母峯トンネル登場。うーん長い。
そろそろ体力も気力も限界。
ヘトヘトになりながらトンネルを出る。
地面は下を向いていた。
うおおぉぉ！
どうやら新伯母峯トンネルがピークだったらしい。
トンネルとループ橋が混じった道を一気に駆け下りる。
その後は吉野川沿いをひたすら北上。
途中、何度かの右左折を経て、ついに。
通過チェックである大宇陀のローソンに到着した。
（つづく）
もうちょっとで終わります……
