デブとブルベとロングライド

デブが走ったブルベとロングライドの記録

BRM1103近畿600km米原のこと-2


PC1から数分走った辺りにそば屋を発見。
のれんをくぐって着席する。

こじんまりとした店内に、オバちゃんとおばあちゃんの接客係。
先客は数組ほど。
これならサッと食べてリスタートできそうだ。
……と思ったら。

店の手際がむちゃくちゃ悪い。

注文は後ほどと言われたっきり、注文を聞きに来ない。
声をかけたがテンパり中。
この少ない客数でどうしてテンパるのか。
不安になって厨房をチラ見する。
年寄りの姿しか見えない。
うーん、これはちょっとヤバいかもしれない。

店を出るか悩み始める。
と、店員が来てしまったくっそ。
仕方ないのでそばを注文する。
これならすぐ作れるだろうし、すぐ食い終わる。
時間ロスは最小限にとどめられるだろう。
……と思ったら。

そばが出てこない。

待てど暮らせど出てこない。
もう、こうなったら仕方ない。
年寄りをシバくのは嫌だ。
だったら時間を有効活用するほかない。
てなわけで机に突っ伏して仮眠した。


注文から25分後。


「おまたせしましたー」

ほんとにな。

味、量が待ち時間にまったく比例していない
何に25分かかったのか不思議で仕方ない。
が、そんなどうでもいい。
2分でそばを食い尽くしてお会計。
逃げるように店を飛び出した。

店まで自転車を準備しながら悶々と考える。
あまりにも大誤算だ。
そば1杯で50分近くも溶けるとは。
昨年の方がまだマシだった。
ただ、店を選んだのは自分。
強引に連れ込まれたわけじゃない。
店選びが下手な自分が悪いだけ。
そう言い聞かせて負の感情を飲みこむ。
……飲めねぇよ。

走行再開。

近くのローソンで補給食を大量購入。
そばだけじゃ腹がもたない。
パンなどを食べながら先へ進む。

広い道路を少し走り、交差点を右折。

ここから15kmほどヒルクライム
昨年はここで他の参加者と合流した。
今年は前後に人影なし。
完全に出遅れたしねぇ。
でもまだ時間に余裕はある。
普通に走れば次のPCには間に合うはず。
慌てず腰を据えて坂を上る。


途中休憩を挟みつつ峠を踏破。
トンネルを抜けて石川県イン。


ここからは長い長い下り坂。
ありがたいことに気温が高め。
防寒着は必要なし。
そのままの格好でダウンヒル開始。

昨年立ち寄った道の駅などを一気に通過。
野々市市を抜けて金沢市イン。
あっという間に市街地に到着。

バイパスのような道路をひたすら北上する。
山と違って人も車も多い。
また路肩には砂利や段差もある。
気をつけるポイントが多くて結構疲れる。

「確かこの辺りにあったと思うんだけど」

辺りを見回しながら走り続ける。

「……あった!」


ご当地チェーンのすしべんに到着。
昨年みんなで立ち寄った思い出の味。
時間がなくてもここだけは寄ると決めていた。

席についてご飯とうどんを注文する。



5分で登場。
早すぎて泣くかと思った。
ついでにおでんも注文。
この先で市街地ゾーンが終わるのでガス欠にならないようにたらふく食った。

走行再開。

かほく市イン。
内灘大橋を渡り県道162号をひた走る。
右側の木々の隙間から遠くの水路とほのかな町明かり見える。
ここの景色好きだなぁ。

暗くて静かな道を黙々と走り続け、国道249号に合流。
そのまま北上し続けて羽咋市イン。
兵庫町の交差点を左折する。

少し直進したのち、PC2に到着した。


(つづく)

「味噌は?」と思ったがここは愛知ではなかった