デブとブルベとロングライド

デブが走ったブルベとロングライドの記録

BRM1103近畿600km米原のこと-3

PC2

「おつかれさまー」

道の駅の施設前でブルベスタッフ姿を発見。
PC2は昨年同様友人チェック。
孤独に走ってきたため人の声が嬉しい。

「ブルベカードとPC1の写真を確認しまーす」

スタッフに提示。
問題なし。
ほっ。

その後は少し休憩。
トイレや着替えを済ませる。
ついでにラスボスパシャ。

走行再開。

確かここから先は暗くて寒かったはず。
てことは。

「眠い……」

やはり睡魔が襲ってきた。
アクビをするたびにまぶたの重みが増す。
たまらずコンビニに入ってコーヒーを飲む。
が、効果なし。
スタート前は超効いたくせにクッソが。
仕方ないのでグミを噛みながら走る。

中能戸のPC3で再度休憩。
その後は富山湾に出る。
穏やかな波音。
眠気が一層強くなる。

七尾を抜けて富山イン。

「あーもう限界!」

バス停で15分仮眠。
気休め程度だが寝ないよりマシ。
てか、これ以上寝ると風邪をひく。

おぼつかない足取りで走行再開。

海沿いの道を走り切って氷見の中心地イン。
影千代パシャ。

街の明かりと雰囲気で多少眠気がおさまった。
が、通過したら眠気もきっちりカムバック。
ちっきしょう。

もう少し走れば。
もう少し走れば。
もう少し走れば仮眠できる。

念じながら必死にペダルを回す。
眠気廃人になりかけたころ、通過チェックに到着した。

通過チェック

看板パシャ。

あー長かった。

深夜でも施設内に入れることは昨年に確認済み。
ようやく仮眠できるー。
……と思ったが。

「なんか人が多いな」

深夜の割に観光客が出入りしている。
昨年はほぼ居なかったのに。
気温が高いからだろうか。
いずれにせよこれでは(安心して)仮眠できない。
困った。

「……ん?」

入り口で悩んでいたら中から人が出てきた。
自分と同じような格好をしている。

「あれまぁ、お疲れ様です」

顔を見て驚く。
以前、名古屋600を一緒にフィニッシュした方だった。


「お疲れ様です。ここで仮眠してました笑」

2時間ほど寝ていたらしい。
これから先へ向かうとの事だった。

「すんません! 途中まで同行させてください!」

渡りに船だった。
状況的にここでの仮眠は難しそうだ。
だったら会話で眠気を封じながら町中の快活クラブまで走った方がいい。

「いいですよー」

ありがたやー。

同行者を得て出発。
道の駅を出て小矢部川を渡る。
しばらく南下して高岡市内イン。

「ねむいー ねむいー」
「あとちょっと頑張りましょ!」

猛烈な眠気を会話で押さえつける。
一人だったら耐えられなかったかもしれない。

新高岡駅を抜けてさらに南下する。
快活への分岐点となる交差点に到着。
同行はここまでの予定だったが。

「僕もちょっと寝ていこうかな」

二人で一緒に交差点を右折。
2kmほど直進する。
最後に右に折れて快活クラブに到着。


「ありがとうございました!」

リスタート時刻はバラバラの予定。
ここでお別れのためお礼を伝えた。

「どういたしまして。おやすみなさーい」

入店。
ブースに入って荷物を下ろす。
まずは充電と目覚ましのセット。
続いて着替えを済ませる。
さっさとやらないと寝る時間が減っていく。
最後に天気予報を確認して、よし、終わり!

そのまま横になり、秒で意識を失った。


(つづく)


富山湾岸はナショナルサイクルルートに指定されている