2日目
起床。
釧路の街をゆっくり走り出す。
濃霧の奥でカモメが合唱している。
日本製紙前を通過。
今秋、釧路から撤退するらしい。
地域経済に与える影響は少なくないだろう。
拠点都市の未来を案じた。
国道44号から38号に乗り、襟裳岬を目指す。
途中の田んぼで鶴発見パシャ。
しばらく走っていると豪快な音とともにパンク。
今年もかーい。(昨年も2日目にパンクした)
今年はキャリアを変えたのでホイール脱着が楽。
ささっとチューブを交換して再出発。
白糠町、音別を通過。
休憩せずにどんどん走る。
道の反対側にコンビニがあったがスルー。
襟裳までの距離は長い。
効率よく走るため進路上にあったら寄ることにした。
この判断が大間違いだった。
これ以降、行けども行けども店が現れなくなった。
「補給はできるときにする」
北海道のイロハのイなのに、俺の馬鹿。
今年の北海道はやたらと暑い。
節約しながら飲んでもポカリはガンガン減っていく。
このままだとマジで渇死する。
本気で焦り始めたとき、交差点の脇に自販機を発見。
スプリントで駆け寄る。
震える手でコーラを購入。一気に飲み干す。
卒倒しそうなほどうまかった。
最悪の事態はなんとか回避。
が、小銭が尽きてしまった。
財布には一万円札のみ。
自販機はもう利用できない。
残るポカリは300ml程度。
不安しかないが、行くしかない。
停まってるとアブに刺されまくるんだから。
消耗しないように出力を抑えて走る。
町はまだか、コンビニはまだか。
国道336号が終わり国道236号に合流。
すると目の前に農協の雑貨店が。
神よ、貴方の慈悲に感謝します。
店内に駆け込みポカリとアイスを購入。
冷たさが身体に染み込んでいく。
ああ、生きてるなぁ。
雑貨店で休憩後、広尾の市街地へ。
ホームセンターでキャンプ品を買い漁る。
(天気が良いので襟裳のキャンプ場に泊まることにした)
そうこうしているうちに空に太陽が。
ありがたい。
ついでに昼食も済ませ、走行再開。
広尾町を抜けると再び何もなくなった。
音別〜広尾間より集落はあるが店はない。
海沿いに道路とトンネルや覆道が連なっている。
波が上がってきそうで怖い。
えりも町イン。
この道は黄金道路というらしい。
名前の由来はめちゃ金がかかったから。
身もフタもねーな おい。
北海道で一番長いトンネル(えりも黄金トンネル4941m)を抜けて庶野へ。
そこから国道を外れ、道道34号に乗る。
景色がめちゃくちゃ良い。
絶景の中をのんびり走って百人浜キャンプ場に到着。
百人浜の由来は浜で亡くなった人の数らしい。
道南のネーミングセンスどうにかならんのか。
管理棟で宿泊手続きしてテント設営。
アブとノーマスクで話しかけてくるバイク乗りを躱しながら設営完了。
5分の距離にある温泉で汗を流す。
30分後、風呂から戻り晩飯作成。
……のはずがライターを忘れた。ひえー。
仕方ないので水でも作れるアルファ米だけ食べて飢えをしのいだ。
食後は洗濯。
乾燥を待つ間ベンチで夜空を眺める。
天の川めちゃきれい。
洗濯物を回収してテントに戻る。
が、暑くて寝つけず風が吹く場所にテントごと移動。
洗濯物を畳みながら寝落ちした。
(つづく)
オイカマナイトーホロカヤントーとは…
道路に敷かれたピクトグラム