デブとブルベとロングライド

デブが走ったブルベとロングライドの記録

BRM501日本橋1000kmのこと-4

 

PC1〜


補給食を大量購入する。

PC2はかなり先。
雨は一向に止む気配がない。
のんびり飯を食っている暇はないだろう。
走りながら少しずつ食べることにした。

一方で、 防寒具に一抹の不安があった。
想定以上の冷え込み。
軽量化のため防寒着を減らしてきたが、このままだと夜を越せないかもしれない。

ちょうど隣にワークマンがある。
天の思し召しか。
立ち寄って防寒具をチェックする。
……収穫なし。
貴重な20分を空費した。
俺のバカ。

走行再開。

栃木イン。
思川沿いを北上する。

雨風は相変わらず。
でもペースは悪くない。
この辺りは田んぼだらけ。
信号で時間をロスをすることはないだろう。

通過チェックの大神神社に到着。
証跡用の写真パシャ。


気がつけば日没間近。
空はかなり暗くなっていた。
(写真じゃ分かりにくいけど)
夜になる前に少しでも先に進んでおきたい。
スマホをしまって急いで出発する。

国道352号、293号、121号に乗ってさらに北上。
日光の例幣使街道にさしかかる。



「なんじゃこりゃ」

空を覆う杉並木。
狭い路肩。猛スピードで走る車。
石垣。坂。街灯なし。
雨で冠水までしている。

暗い。寒い。怖い。キツい。

が、文句を言っても始まらない。
延々と続く街道をひたすら走る。走る。走る。

残りはどれくらいだろう。
そろそろ限界かも。
そう思い始めた時、コンビニが登場。
たた助かった!
スプリントで入店する。

ホットコーヒーを飲んで一息。
あー生き返るー。
ついでに防寒着に着替えた。

店の外に出ると、パンク修理がうまく出来ない参加者から、助言を求められた。
差し出されたホイールを確認。
どうやったらタイヤが一回転半するんよ。

正直、時間に余裕は全くない。
が、自分も人に助けてもらった。
恩は止めずに回していくもの。
助けを求められたら絶対断らないと決めていた。
タイヤをホイールから引っぺがし、残りの工程を指示して別れた。

走行再開。
闇はさらに濃くなった。



一本道。
足元は相変わらず見えない。


ガンッ


石を踏んだ感触。
やばいパンクしたか!?
……セーフ。

スペースも灯りもない道。
降り続く雨。
こんな場所でパンクをしたら一巻の終わりだ。
見えない足元を今まで以上に凝視する。




突然、辺りが街になった。

国道119号。
日光街道に出たらしい。

唐突すぎて動揺する。
が、気持ちはすぐに解れた。
久しぶりの町灯り。
軽くなった気持ちで走り続ける。

東武日光駅前を通過。

ガッツリ観光地。
ただ人影は少ない。
雨の夜だし当たり前か。

大谷川を渡って国道120号に乗る。

斜度が上がり、足の負荷がどっと増す。
雨、風、坂を耐えてきた足になおもこの仕打ち。
なんなら霧まで出てきた。
権現様、これ何の罰ですか。

国道122号を逸れて裏見滝線に入る。

斜度がさらに上昇。
キツい。
蛇行したい。
でも無理。
通過チェックで折り返した参加者が坂をガンガン下ってくる。
下手に走ると事故を招きかねない。
仕方ないので根性で上る。
……根性なんかもうねぇよ。
このまま倒れるから東照宮に祀ってくれ。

そう思ったころ。


通過チェックの裏見の滝に到着。
な、長かった……。



(つづく)



国道119号に合流する少し手前の状況。マジで急に町になるのでビックリする。