デブとブルベとロングライド

デブが走ったブルベとロングライドの記録

BRM503中部1000kmのこと-2

PC2

補給食を補充。
しばらく休憩のち走行再開。

夜の丹後を走る。
この辺りは特に何があるわけでもない。
黙って走り、眠くなったらその場で仮眠する。
その繰り返し。

豊岡、 国府を通過。
空が明るくなりはじめたころ神鍋高原の入り口に到着。
ここからヒルクライム
おそらく寒くなるだろう。
そう考えてウェアを物に追加。
グローブも防風タイプに変更する。

これが大失敗だった。

暑い。
予想より気温が下がらない。
そりゃそうだ、陽が昇ってきてんだもん。
暑さが眠気を呼び、速度がガクンと落ちる。
仕方ないので道の駅にイン。
さっき着たウェアを全部脱ぐ。
ここを攻略するために持ってきたウェアだったんだけどなぁ。

ふと道端を見ると、参加者が豪快に仮眠していた。
眠いよねぇ……。
自分もしばらく仮眠することにした。


走行再開。
神鍋を抜けて鳥取県イン。
次第に車や歩行者や車が増えてきた。
鳥取砂丘エリアに到着したらしい。


たくさんの車に追い越されながらペダルを回す。

「はーしんど」

疲れ、眠気。
心はささくれ立つばかり。
そんなとき、追越車両の窓から沢山の腕が生えてきた。
どの腕もサムズアップしている。

「ありがとー」

やる気復活。
笑顔で手を振り返した。


鳥取砂丘に到着。
一枚だけパシャ。


すぐに離脱。
今回は観光より認定完走を優先だ。

砂丘を離れて少し進むと街に到着。
思った以上に都会でびっくり。
車に気をつけながら先へ進む。
しばらく走ってPC3のコンビニに到着した。

 

PC3

 

ここでは飲み物を補充。
飯は飲食店に移動して食べることにした。

「あれ、シールドがない」

走り始めて20分。
眩しいのでヘルメットのシールドを使おうと思ったが見当たらない。
どこかに忘れてきたか。
そういえば拭くためにさっきのコンビニで外した気もする。

「うーん……諦めるか

眠気に足をひっぱられて時間が結構ギリギリ。
捜索に時間を使うより先へ進むことを優先した。

市街地を抜けて南下し続ける。

気がつけば爆風が吹き荒れていた。
油断すると身体ごと持っていかれるレベル。
そこに来てこのブルベ最大の難所が現われた。

国道53号、勾配むっちゃきつい。


なんじゃここは。
ストレスがぶくぶく膨らんでいく。
徹夜みたいな状態で激ヤバ峠を攻めるとか。
もはやブルベでなくデスゲームか何かに思えてきた。
怒りにまかせてペダルを踏みつける。

ぜーハー言いながら、何とか踏破。
今度は延々と坂を下り続ける。
しばらく走っていると街に到着。


昼の津山に来たのは初めて。
結構都会で驚いた。

知り合いの地元で勝手に親近感があったため、機嫌が少し回復。
軽くなった足取りで国道429号を走り、通過チェックに滑り込んだ。

 

通過チェック

PC4まではあと約90km。
一番の難敵 激ヤバ峠は攻略したが、まだまだ油断は禁物。
腹ごしらえをしてすぐに出発する。

川沿いをひたすら南下。

周囲にあるもの。
山。川。以上。
休みたいけど何もない。
ひたすらネイチャー。
気が狂いそう。

ただ、この感覚は過去の近畿600kmで経験していた。

自分は岡山を走ると気が狂う。
おそらく大泉洋さんが北欧で壊れたのと同じ原理。
ただ、事前にわかっていれば身構えられる。
今回は気持ちを固めて走ったため何とか持ちこたえた。

日没。

走り続けてどれくらいたっただろうか。
遠くに街灯かりが見えてきた。
ようやく休憩できる……そう思ったのだが。

コースは街の明かりとは異なる方向に進んでいく。
もう、国道53号以来のストレス大爆発。
街灯かりを見ちゃったもんだから不満が止まらない。
眠気と怒りの狭間で揺れながら夜道を走り続ける。
スーパーぶつくさ言いながら走り続ける。
と、今度こそ街に到着。
ネオンまばゆい倉敷駅前を通過して美観地区イン。


きれいな街並み。
夜に来たのは初めてかな。
歩行者が多いため気を付けて走る。

美観地区を抜けてさらに南下。
多少のアップダウンを抜けて海に出る。
そこそこ街な地域を通過。そして。

ようやくPC4に到着した。


(つづく)