6日目
起床。
朝食を食べてジャージに着替える。
今日は北海道最終日。
とはいえフェリーは深夜発。
苫小牧を21時に出発すれば余裕で出港間に合う。
ということは室蘭→苫小牧は夕方から移動で十分だ。
てなわけで昼まで近場をサイクリングすることにした。
パンク修理道具だけ持って出発。
峠を上って白鳥大橋の下をくぐる。
パニアがないと自転車が軽い。
しばらく走って途中の駅でパシャ。
伊達市に入ると町の賑わいが。
大きな店舗や道の駅がある。
街を通過すると北海道らしい景色が登場。
右手に羊蹄山や昭和新山が見える。
いい眺め。
きれいな景色の中を弾むように走る。
そのままぐんぐん進んで到着。
道の駅あぷた。
前回訪れた時は時間が早すぎてウニを食べ損ねた。
今回はレストランの開店きっかりに到着。
一番客でウニ丼を注文する。
うーんイマイチ。
よく見たら側面にパック販売のシールが貼られている。
そりゃそうだよね。
ウニの後は紫蘇のジェラート。
さっぱりしててめっちゃうまい。
予定ではあぷたで折り返すつもりだった。
が、意外と早く到着して時間が余っている。
せっかくなので洞爺湖まで足を延ばすことにした。
道の駅を出て坂を下る。
発電所前の交差点を右折。
トンネルを2つくぐり、出口の先を右折して到着。
たしか幼少期に訪れたことがあるはずなんだけど全く記憶がない。
こんな感じの場所なのか。
さすがに一周するほどの時間は無し。
足湯に軽く浸かってさくっと室蘭に戻る。
室蘭でシャワーを浴び、昼食を済ませる。
少し昼寝してから荷造り開始。
荷物を自転車に取り付けて出発。
お世話になりましたー。
昨日走った国道235号を逆向きに走る。
平坦路に追い風が加わりスピードが出まくる。
30~35km/hの巡航速度。
パニアつきD-604なのに何だこの速度は。
あまりの速さにマッハで苫小牧に到着してしまった。
かなり時間が余った。
せっかくなので最後の晩餐。
やっぱり、みよしの。
続いてイオンへ。
フェリー内での食料を調達する。
やりたいことは一通り片付いた。
時間はまだまだ余裕があるが、ギリギリで行くこともあるまい。
道中でパンクしたらやばいし。
苫小牧に別れを告げて出発。
国道を東に向かって走る。
少し走っただけで町明かりが無くなった。
残る光は道路脇の街灯のみ。
その街灯も無くなると辺りはいよいよ真っ暗。
どこから動物が出てきてもおかしくない気配。
こわい。
「あ、星だ」
いつのまにか星が輝いていた。
今回の旅は曇天続き。
持ってきた星撮り用のレンズも出番なし。
それがまさか最終日に星空に出会うとは。
停車して星を撮るか一瞬悩む。
「暗い。怖い。熊出そう。止まりたくない」
恐怖が勝った。
待望の星空をスルーして先を急ぐ。
石油の備蓄施設前を通過。
ここだけ場違いに明るい。
久しぶりのまとまった光に気が緩む。
瞬間、茂みから鹿が飛び出してきた。
驚いて落車しかける。
何とかセーフ。
し、心臓止まるかと思った。
「二度と停車しない」
固く誓って走行再開。
少し走って国道235号に合流。
高速道路の明かりで緊張がほぐれる。
北海道の闇は何度走っても慣れないなぁ。
厚真ICの交差点を右折する。
と、前方に港の灯りが見えた。
よっしゃ、正真正銘ラストラン。
ペダルを踏む足に力を込める。
そして。
苫小牧東港に到着。
2023年北海道の旅、これにて終了!
計画は終始グダグダ。
やりたいことはほとんどできなかった。
それでも楽しかったのだから、北海道は偉大だ。
また訪れてもやっぱり楽しいのだろう。
来年も来るのか、来れるのか。
今はまだ何も決まっていないけど、もし訪れたら今度は俺がライダーにジンギスカンを奢りながら、積もる話を聞かせてもらいたいな。
(おわり)
今回の旅で白SIDIにずいぶん貫禄がついた笑
いつ破裂してもおかしくない状態だった、と気づいたのは帰宅してからだった