デブとブルベとロングライド

デブが走ったブルベとロングライドの記録

宮城、山形を走ったこと-4

 

5日目

 

昨日と同じ朝食を食って出発。
飛行機の時間に間に合う観光地ということでかみのやま温泉に向かう。

国道13号をひたすら南下。
下り基調で走りやすい。

途中、道沿いに芋煮会の鍋を発見。
でかいなー。


15kmほど走って温泉に到着。
さっそく目当ての公衆温泉へ。



ちょっと熱めだけど気持ちいい。

かみのやま温泉は珍しいことに洗髪が別料金。
洗髪したい場合は洗髪代を払って洗髪札(についた蛇口の頭)を受け取るらしい。
浴槽のお湯で頭を洗うと叱られるので注意が必要だ。


また一つ旅の思い出ができた。


温泉から上がると自転車がパンクしていた。
なんでだよ。
が、イラついてもチューブは膨らまない。
しぶしぶ作業開始。
どうせなら風呂入る前にしてくれぇ。


完了。あー疲れた。

修理後の試走がてら、近くの菓子屋へ。
土産のかりんとうを購入。
会計のついでにオススメの飯屋を尋ねると「味津肥盧(みつひろ)が有名だよ」と教えてくれた。
んじゃそこにするか。

ちょっと走って到着。
板そばを食べる。



う、うまい……。

その後、近くの店でデザートも食べた。


満喫。

さて、そろそろ良い頃合い。
山形空港に向かって走ろうかな。
……と思っていたのたが。

さっきのパンクで不安になったので自走は止めて輪行することにした。
万が一でも飛行機に遅れるわけにはいかない。


駅に到着。
窓口の駅員に質問する。

「◯時までに山形空港に行ける在来線を教えてください」
「えーと……無いねぇ

田舎の交通事情を舐めすぎた。

搭乗時刻に間に合う在来線はさっき出たらしい。
(自走予定だったので時刻表の確認が甘かった)
慌てて駅員に他の手段を相談する。
10分後の新幹線一択との回答。
乗車券を買ってホームに駆け込む。


「これマジで新幹線くるの?」

あまりにものどかな景色。
思わず疑問が口に出た。

数分待っていると、線路の向こうから新幹線つばさが走ってきた。
疑ってごめん。
停車を待って指定車両に乗り込む。


つばさの指定は車両のみ。
席は自由なので最後尾を確保して、自転車は席の後ろに置いた。

席に腰をおろすとどっと疲れが。
ドタバタ続きだったからねぇ。
到着まで軽く仮眠……のつもりが熟睡。
気がつくと電車がホームに停車していた。
光の速さで下車。
あ、危なかった……。



さくらんぼ東根駅、到着。

駅舎前で自転車を組み立てる。
送迎バスとかあると楽なんだけど、無いものは仕方ない。
住宅地や畑の間をしばらく走って空港到着。


今まで利用した中で一番小さな空港。
入り口は中央の一箇所のみ。
さっそく建物内に入る。


入り口の正面にカウンターがあった。
でかい空港のように歩き回らなくて済むのはありがたい。
今回予約したのはFDAだったので左端のカウンターに声をかける。

輪行箱を予約した○○です」


FDAには輪行箱の無料貸し出しサービスがある。
これまでFDAを利用したことは無かったが、 今回初めて搭乗機会に恵まれたので、ついでに輪行箱も借りてみた。


しばらく待つと係員と一緒に輪行箱が登場。
詰め込みはロビーでやってもいいらしい。
邪魔になるほど利用客はいないが、一応隅に移動する。


箱は思ったより小ぶりだった。
これに全部入れるのはキツそうだ。
箱にはフレームと荷物の一部のみ入れて、残りはホイールバッグや携帯バッグに入れて預けることにした。


輪行手続き、完了。

つづいて今度は搭乗手続き。
バースデー割で予約した旨を伝えて免許証を提示する。

FDAには「バースデー割」という割引がある。


誕生月なら何度でも利用可能な上、同行者も最大5名まで割引が適用されるというおそろしく太っ腹なサービス。
別途、燃油サーチャージ代が別途かかったが、それでも電車やフェリー新幹線より安かった。


登場手続きが終わったので、売店で土産を物色する。
東北のアイコンをあしらった手ぬぐいがあったので記念にゲット。

その後は2Fの待機場所で時間をつぶす。
と、保安検査が始まった。
荷物検査を受けてゲートをくぐる。
問題なし。ほっ。

搭乗ロビーで窓の外を眺めていると、 作業員が飛行機に荷物を積み込む様子が見えた。
驚いたことに作業員が輪行箱を支えながらベルトコンベアーに乗り込んでいた。


無料サービスなのにあんなに丁寧に扱ってもらえるとは。
国内航空会社のホスピタリティに感心した。

定刻。搭乗開始。

小さい飛行機。
全員乗り込むのにさほど時間はかからなかった。


離陸。
山形はあっという間に小さくなる。


しばらくすると機内サービスが配られ始めた。
自分の番が回ってくる。
と、ふいにCAに声を掛けられた。

「○○さま、誕生月と伺っております」
「おめでとうございます」
「ささやかではございますがお受け取りください」


誕生日プレゼントをいただいた。
まじかよ。
てっきりマスクのつけ方が気に入らなくて殴られるとばかり……。
FDAの心遣いに感謝した。

窓の外で地面がキラキラ光っている。
何だろうと思ったら新潟の水田だった。
新潟を空から見るとこんなに美しいのか。


1時間ほどのフライトが終わって名古屋空港に到着。


空港で荷物が流れてくるのを待っていると、別の扉から係員が自転車を運んできてくれた。


本当に至れり尽くせりだ。

「自転車はここで組み立ててOKです」
「終わったら声をかけてください、箱を回収しに来ます」

こんな場所で自転車を組み立てることになるとは。
注目を浴びながら作業する。
めっちゃ恥ずかしい。


作業完了。

終わる頃には誰もいなくなっていた。
それはそれで少し寂しい。
係員に輪行箱を返してその場を後にした。


空港脱出。

その後は家までのんびり走って帰りましたとさ。
(帰宅までの道のりは特に書くような出来事ないため割愛。笑)



(おわり)



山形空港の搭乗通路。職員さんが手入れした鉢植えサイコー。


飛行機からは徒歩で降りた。